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作品情報

イントロダクション

授業も、テストも、クラスもない
鳥取県の山あいにある新田サドベリースクール
遊びだって生き方だって、自分で考え、自分で決める
子どもと大人の自由と葛藤の1年を追ったドキュメンタリー

山陰地域の自然豊かな森のなかに、生まれて間もない小さな小さな学び舎がありました。
子どもたちの主体性を最大限尊重し、すべてを自分たちで決め、生活のなかで学びを生み出すことを目標に運営されているデモクラティックスクール(民主主義の学校)。一見、型破りにも見える「自分たちなりの理想の学び場」を追い求め奔走する子どもと大人の姿から浮かび上がる「自由ってなんだろう?」「私たちの未来ってどんなだろう?」
——それは、私たちの未来につながる話でもありました。

これまで親子をめぐる数々のドキュメンタリーを制作してきた浅田さかえ(本作で映画初監督)が、ひょんな出会いから単身で臨んだ、2018年2月から2019年6月までの300時間以上に及ぶ撮影記録。浅田の人柄と等身大の眼差しが捉えたスクールのありのままの姿が、108分の映画作品として、ここに誕生しました。

STORY

ここは私たちが想像する「学校」とはちょっと違う

鳥取県智頭町にある新田サドベリースクール。
授業は行われておらず、子どもたちは朝からゲームや屋根登りに夢中だ。
子どもの “やりたい”を一番に尊重するこの学び舎では、ルール作りから全体運営まですべて子どもたちが携わり、自分で考え判断し、解決する力を身につけていけるよう運営されている。学年分けもなく、サポート役の大人も「先生」ではなく、子どもたちによって選ばれる「スタッフ」と呼び、「今日1日、何をするのかしないのか」すべて子ども自身が決めていく。

自由をめぐる、大人と子どもの葛藤と冒険のドキュメンタリー

…だけど、自由とは何だろう?最初は楽しかったけれど、何もしなければただ退屈な時間だけが過ぎていく。
子どもとスクールを信じつつも、時に一抹の不安は拭えない保護者たち。“黙って見守る”と“サポートする”の狭間で葛藤が絶えないスタッフたち。それでも大人は子どもたちの背中をそっと後押しする。「なんでもやってみたらいいんよ」「みんなで話し合ってみたら」
根気のいる米作り、初めての喫茶店運営、私立中学受験への挑戦、そして、それぞれの思いが交差するスタッフ選挙──悪戦苦闘しながらもひとつひとつ取り組んでいく。

…案外、自由って難しい?
「勉強もせず遊んどるがな。大丈夫かいな」近隣住民からの訝しげな視線もなんのその。
豊かな自然の四季に囲まれて、歩き始めて間もない学校作りに奮闘する、大人と子どもの悲喜こもごもの一年を追いかけた。